デビルサバイバー面白い!

 

 昨日(https://bokutere.com/?p=1664)に引き続いた内容について語りたい。つまるところデビルサバイバーの話題なのだが……今回はデビルサバイバー2ではなく、女神異聞録デビルサバイバーの話題だ。

Amazonより

前回も話した通り、デビルサバイバー真・女神転生、通称メガテンのスピンオフシリーズだ。デビルサバイバーはそのシリーズ一作目に当たる。今日(3月16日)プレイを始めた。前回の記事で「私とデビルサバイバー2の付き合いは長くなりそうだ(ドヤ顔)」みたいなことを書いたワケだが、結局あの後YouTubeで他のエンドも全部見た。思っていたより遥かに短い付き合いとなったね。さよなら。デビサバ2。

 で、早速デビサバをプレイ開始。まず感じたのは画面の見づらさ。いや、これがまたすごい。漢字は潰れていてかろうじて読めるレベルだし、10分くらいプレイしていたら目がショボショボしてくる始末だ。デビサバは2009年、2は2011年発売なのだが、2年でここまで違うのかと驚かされた。UI面でも2より劣っているし、キャラデザもぶっちゃけ微妙だ(つまり2の方がいい)。しかし、デビルサバイバーはそれらの欠点を補って余りある魅力を抱えている。何よりまず評価したいのはストーリーだ。

 デビルサバイバーはハッキリ言ってキャラに魅力がない。それは2にも共通する話ではある。(まぁゆかビッチことゆかりっち似のヒロインは可愛いが。あとゆかりっちはビッチじゃない!!!!(ガチギレ))

 しかし、今回は少し性質が異なる。2のキャラが「キャラ萌えを狙った制作側の魂胆が透けて見えて魅力がない」とするならば、デビサバのキャラは「そもそもキャラ萌えさせる気が全くないので魅力がない」と表せると思う。つまり、2はガチガチのマーケティングによる魅力のなさで、デビサバはそもそもキャラに魅力を持たせる気がないという理由がある。これが意味していることは、「このゲームはいかにして引っ張っていくか?」というスタンスの表明だ。2はキャラ萌えを促しているので「キャラクター劇でストーリーを引っ張っていこう」としている。対してデビサバは「ストーリーそのものの魅力で進めようとしている」ように感じられるのだ。

 随分ストーリーに自信があるんだなと思うが……さすがに言うだけのことはあると感じる。面白いわデビサバ。2より圧倒的に。ストーリーの型としては2がウルトラマンエヴァ)方式に「毎日やってくる言葉が通じない異形の怪物を倒す」という形。一方デビサバは「閉鎖空間内でサバイバル」という形。いかにも「ゼロ年代デスゲーム!」って感じの臭いがプンプン漂う。しかしやはり自分もゼロ年代チルドレンとしてこの空気感がとても懐かしく感じてしまう。「あぁ〜これこれ^ ^」みたいな。10年代に入ってくるとデスゲームモノはどんどん会場が小さくなっていく印象がある。セックスしないと出られない部屋ならぬ、殺し合いしないと出られない部屋(740畳)みたいな。あとは学校内・教室内で殺し合うダンガンロンパ的な。そういう、デスゲームがより「ゲーム」としての側面を帯び始める直前のデスゲームなので、殺伐としたサバイバル感があっていい。デビルサバイバーというタイトルに偽りなしという感じだ。2も2でサバイバーというタイトルがついてはいるが、正直サバイバル感は薄い。「舞台が3都市にスケールアップ!」みたいなのをウリにしていた節があるが、とんでもない。3都市に増えたことで閉鎖空間感が薄れ、ぬるい雰囲気になっている。さらに様々な見た目のキャラクターが和気藹々としている様子を見せられるのも、それに拍車をかけている。サバイバー要素が機能しなくなっているのだ。

 優れた作品というのはしばしば、物語の軸が複数存在する。デビサバの場合は「山手線内でのサバイバル」に加えて「ベルの王位争奪戦」というふたつの軸があり、その背後にほんのりと「なぜこんな事が起きたのか? ナオヤは何をしようとしているのか?」という謎がある。つまり3つの軸を持って物語を動かしているのだ。

 対して2はというと、「セプテントリオンの脅威」「3都市サバイバル」「なぜこんなことが起きたのか?」の3つが用意されているにも関わらず、前述の理由で3都市サバイバルが実質形骸化している。そのため、物語を引っ張る軸は2つしかない。これは正直言って表現の後退ではないだろうか。とはいえ、2はこの欠けた軸に「キャラクターの魅力」を差し込むことで埋め合わせようとしたのだろう。そして世間における2の評価を見るに、その施策はある程度の成功を収めたのかも知れない。アニメ化もしたし。ただ、私個人としては、「純粋にストーリーと設定だけで勝負しよう」という気概溢れるデビサバの方を高く評価したい。

 しかしそうは言っても、2にも優れた部分はある。それは音楽だ。2のメインコンポーザーはなんと言ってもロマサガなどで有名な伊藤賢治が担当している。この事実は見逃せない。私はメロディアスな音楽が好きなので、BGMの面に関しては、デビサバより2の方が好きだ。2は結構気に入った曲も多いのだが、デビサバはかなりハチャメチャな曲が多い。特に戦闘曲は。「やっぱイトケンすげえよ」と思うと同時に「せめて目黒さん起用してくれよ」と思った。

 だけれども、だ。私は2の曲の方が好きだが、「2の曲の方が優れている」とは言わない。なぜなら、デビサバのBGMは他人に聞かせるモノではないからだ。音楽には2種類ある。「聴かせるための音楽」と「演奏するための音楽」だ。例えるなら、クラシックなどのように「美しい旋律を誰かに聴かせるため」に作られた音楽がある。その一方で、メタルのように憤怒や憎悪、絶望などを叫び、発散させる……つまり、「誰に聴かせるでもなく、ただ歌うこと自体に意味がある」音楽も存在する(まぁ本来はちょっと違う気がするが、とりあえずここではそういうことにしてほしい)。で、デビサバに必要なのは上記で言うところのクラシックではなくメタルだろう。メロディとしてハチャメチャであることが、世界観や主人公達の内面を如実に語っている。作品にとってプラスになっているのだ。よく考えるとこのゲームは全てがそうなのかも知れない。キャラデザもBGMもストーリーも、全てが「このゲームをより良くしよう」という方向に向いている気がする。だからこそ、これほどのクオリティの作品を生み出すことができたのだろう。素晴らしい話だ。その素晴らしさを感じながら、今日も今日とてサバイバル頑張るぞ〜!

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は? デビルサバイバー

なんだっけそれ笑

☆その男、ミーハーにつき!