プリティーリズムに学ぶ心理法則 #3 レジリエンス

プリティーリズムに学ぶ心理法則 #3 レジリエンス

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第三回「神浜コウジのレジリエンス

歌いたい届けたい

神浜コウジはスタァとしても、アーティストとしても高い実力を持つ人材でした。

しかし、そんな彼も順風満帆とはいきません。自らが作詞作曲を手がけた曲を奪われ、組織内の政治に翻弄かれた彼は、エーデルローズを離れてしまいます。


その後はひっそりと一人で活動していたのですが、ある日運命の出会いを果たします。


その相手は涼野いとというプリズムスタァ。一見クールな彼女の心にアツさを感じ、また、いとも同じようにコウジに興味を惹かれ、二人の距離は次第に縮まって行きます。


ところが、二人の間には二人の仲を引き裂いてしまうほどの強烈な因縁があったのです。


神浜コウジの背景


コウジの父、丈幸はコウジがまだ幼い頃、交通事故により死亡していました。
そしてその事故の加害者とされているのがいとの父、涼野弦だったのです。


弦も、コウジの母である奈津子も二人の交際に反対しました。


それを受けて、いともまた、父が大切な人の家族を奪ってしまった罪悪感からコウジと距離を置こうと考えます。


そんな中でも、コウジだけはこの悲しみを乗り越えられると希望を持ち続けているのでした。


精神の復帰力「レジリエンス


レジリエンスとは
トラウマ的体験などのストレスから立ち直る精神の回復力のことです。


父親が亡くなったこと、作詞作曲した楽曲が奪われたこと、友人に裏切られたこと、そして惹かれた相手が加害者家族だったこと。


彼の人生はプリティーリズムシリーズでも屈指の悲劇です。


しかし、そんな悲劇の中心点にいた彼が、当事者たちの中でも一番早く立ち直り、前に向かって歩みを進めました。


神浜コウジの強みは、類い稀な作詞作曲センス、卓越したショーの技術はもちろんのことですが、個人的にはこの驚異的なまでのレジリエンスこそが彼最大の強みだと思っています。


レジリエンスを鍛えるために


悲劇的な体験をすると、人は
悲劇的思考にとらわれるようになります。


しかし、彼のように強力なレジリエンスを持つことができれば、大抵の悲劇では屈しません。


我々が彼のようなレジリエンスを得るにはいくつかのトレーニングを積み、悲劇的思考を回避する必要があります。


ご安心ください。
そのどれもが簡単なトレーニンです。今日からできます。


悲劇的思考①「パーソナライゼーション」


悲劇の原因は自分にある、悪いのは全部自分だ。


こんな加害者意識を持ったことはないでしょうか?
これこそが一つ目の悲劇的思考「パーソナライゼーション」です。

必要以上に自分を責め立て、さらに#2で説明させていただいたダークトライアドに攻撃のチャンスを与えてしまいます。

前回の記事


ここから抜け出すために効果的なのは
筆記開示(エクスプレッシブライティング)
というトレーニングです。


これは心理学の分野では高い効果があるとされていて、実際にうつ病の治療でも活用されています。


やり方は簡単で
寝る前に8分間だけ今思ってることを日記に書きなぐる。
これだけです。


気分が沈んでいる人がこれをやると
だいたい心配事や悩みだけでページが埋まります。


これによりセルフモニタリング能力という、
自分を観察する能力が高まり、感情の制御がうまくなります。


さらに、記録を続けていけば、
あの頃はこんなことで悩んでいたのか
と振り返って見た時、今はもうだいぶマシになったなと思えるようになります。


こうなるともうトレーニングは成功で、
今の悩みもいつかはくだらないと笑えるようになる
と考えられるようになるのです。


悲劇的思考②「パーバーシブネス」


二つ目の「パーバーシブネス」は
どんどん悪い方へ悪い方へと考えてしまう
思考のことです。


例えば受験に失敗したから人生終わりだ、とか
学校を卒業できなかったから人生終わりだ、というような
何か良くないことがあると、他のことにも拡大して考えてしまうケースが多いです。


これに対処する方法は二つです。
一つは先ほどもあげた筆記開示
もう一つは「デカタストロファイズという考え方です。


デカタストロファイズは否定を表すデと破滅的な状況を指すカタストロフィーの複合、すなわち、
今ここにある問題は最悪ではない
という考え方のこと。


今の問題も十分大変だけど、これがもっと悪かったらどんな感じだろう? と考えます。


大事なのは
エターナルビッグバンで全人類が消滅した
レベルのもはやあり得ないような最悪の状況をイメージしましょう。


悲劇的思考③「パーマネンス」


「パーマネンス」はpermanent、すなわち
これは永遠に続くことだと考えてしまう
思考のこと。


当たり前ですが、世の中に永遠はありません。
それは
実体を持たない感情ですら同様です。


これが欲しい!と思って買ったのに、1週間もすると
なんでこんなの買ったんだっけ?
となってしまった経験があるとわかりやすいかなと思います。


「パーマネンス」に有効なトレーニングとは何か。もうお分かりかもしれませんね。
そう。筆記開示です。


神浜コウジのその後


いち早く動揺から立ち直り、いとを、いとの両親を、そして自身の母を説得することに成功した彼は晴れていとと通じ合うことができました。


そして、対立し溝ができていた速水ヒロと仲直りし、二人の共通の知り合いである仁科カヅキと三人でユニットを結成。


新たな一歩を踏み出したのです。


まとめ

レジリエンスを鍛えるために日記を書きましょう。これは紙に書いてもいいですが、それが難しいならブログやTwitterなどに投稿してもいいと思います。

とにかく今の自分の感情を記録していくことが重要です。


生活レベルが向上した現代において、人生は長いです。
長く生きるということは、それだけ苦悩を抱えることも増えます。


苦悩を乗り越えることは多くの人ができます。
苦しくても生きていかなければならないのですから。


しかし、苦しみから
経験を得て、自らの力とする人は多くありません。


前回の内容と重なる部分がありますが、
ネガティブな出来事には必ずポジティブな側面があります。


それを見出すためにも、レジリエンスを手に入れたいところです。


そしてそのレジリエンスをフルに活用して

なりたい自分に

プリズムジャンプ☆

関連文献:OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び

シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント