習慣は感染するので付き合う人は選ぼう

目次

  • 軍学校を崩壊させた恐怖のウィルス
  • その正体は“習慣”
  • 習慣は伝染する
  • 根拠1,脳は「周りの人が望む自分」になる
  • 根拠2,脳は人と同じことをしたがる
  • 伝染を防ぐには?
  • ①環境を選ぶ
  • ②自分を客観視する
  • まとめ


軍学校を崩壊させた恐怖のウィルス

ケリー・マクゴニガル先生の『スタンフォードの自分を変える教室』にて、興味深いエピソードが紹介されていました。

18歳で高校卒業したばかりのジョンは、コロラド州エル・パソ軍の米国空軍士官学校でバスから降り立ちました。荷物はバックパック1つだけ。士官学校の新入生が所持することを許されたわずかな品々が入っています。
(中略)
実は、他にもこっそり持ってきたものがありますが、それはバックパックには入っていませんでした。目には見えないので、ジョンと同じ飛行中隊に配属された士官候補生たちも気づきません。士官候補生たちはその後1年間にわたり寝食をともにし、机を並べて過ごしました。やがてジョンが持ってきたものは、飛行中隊の仲間のあいだにじわじわと浸透し、彼らの健康や空軍でのキャリアを脅かすようになっていました。

スタンフォードの自分を変える教室 P.288

要点をまとめるとこうです。


士官学校に入った18歳の少年がいた
・彼が持ち込んだモノは、仲間たちに多大な被害を及ぼした

しかし、荷物はバックパックのみ。
大したものは持ち込めません。

では、その持ち込んだモノとは一体なんだったのでしょうか?

その正体は“習慣”

その正体は、
習慣です。

習慣はウィルスほど危険ではありませんが、
ウィルスよりはるかに感染しやすいです。

習慣は伝染する

習慣がなぜ感染しやすいかというと、
その理由は大まかに以下の2つで説明できます。

根拠1,脳は「周りの人が望む自分」になる

あなたは、あなたの友達が望む人間になっていきます。

この理由は簡単で、
相手に嫌われないためには、相手に気に入られる行動を取る必要があります。

例えば、映画は好きでもないけど、友達が映画好きだから、付き合って観ているうちに自分も映画好きになってしまった……みたいなパターンです。

  • 相手に嫌われたくない
  • 相手の望む行動に合わせる
  • 自分の思考もだんだん変わってくる
  • 相手と自分の内面が似てくる

というわけです。

根拠2,脳は人と同じことをしたがる

脳にある、ミラーニューロンという細胞は他人の感情をまるで鏡のように映しとります。

例えば、紙で指を切ってしまった人を見ている時、あなたの脳内でもミラーニューロンが活性化し、自分も痛いような気がします。

あなたはその時、「痛そ〜……」と言いながら、眉間にシワを寄せ、苦々しい表情を浮かべていることでしょう。

このようなシステムが働くのは、
人間が群れをなして生きていた動物だからです。

相手の気持ちに共感し、行動を合わせなければ、群れからはじき出されてしまいます。

その時の名残で、人間には生まれつき、他人に自分を合わせる能力が少なからずあるのです。

伝染を防ぐには?

伝染は誰にでも起こりうるモノです。
意識していなければその被害を免れることは難しいですが、対策さえしていれば被害を最小限に抑えられます。

というわけで、今回は二つの対策をご紹介します。

①環境を選ぶ

  • 会う人
  • 見聞きするモノ
  • 出かける場所

これらを自分でしっかりとコントロールします。

例えば、会う人なら、本当に会いたい人にだけ会う。
この人になら影響されても良い!と思える人とだけ付き合う。

見聞きするモノなら、読みたい本を読んだり、本当に自分が観たい映画を観たり。
逆に、自分が欲しくない情報はシャットアウトすることも大事です。

例えば、

  • ニュース番組を見ない
  • テレビ番組を見ない
  • SNSを見過ぎない

など、自分が必要な情報だけを選び取って厳選しましょう。
本当に知りたい情報(天気など)は自分で調べられるはずです。

最後に出かける場所。
こちらも他人の口コミを聞くのは良いですが、それだけでは判断せず、自分の足で赴き、目で確かめることも必要になるでしょう。

②自分を客観視する

常に自分を客観視することで、
今の自分は誰かの影響を受けていないか?
誰かの行動パターンが染み付いていないか?
をチェックできます。

簡単ではありませんが、方法はいくつかあります。


例えば、毎日、寝る前に「自分はどんな人間になりたいのか」を紙に書き、それを定期的に見直せば、自分がそれに沿った生き方をしているかが分かります。


まとめ

人は他者の影響を受ける。
→影響を受けるモノは自分で選びましょう。

最後に

申し遅れました、わたくし、なめと申します。

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失念していて、自己紹介をするのを忘れていました。

他者の影響を受けるのは避けられません。
これは僕自身も強く実感していることです。

というのも、僕の家族は皆寝るのが遅い家庭でした。


しかし、僕が毎晩23時に寝るようになってからは家族の就寝時間が23時になりました。

ここから言えるのは
いい習慣だろうと悪い習慣だろうと関係なく伝染する
ということです。

素敵な習慣を持つ人たちとたくさん触れて、さらにその習慣を周りの人たちに広めていければ、身の回りの人くらいは幸せに出来るのではないかな?なんてささやかな夢を見ながら、今日も生きることにしましょう。

【参考文献】


ポジティブ・チェンジ

スタンフォードの自分を変える教室