ゲーム依存症の概略と対策【ゲームは頭に悪いのか問題】
結論:物理的に離れるのが一番。
頭に悪いかはどちらとも言えない。
なぜなら、「頭に良い」「頭に悪い」両方の証拠があるから。
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目次
- 今回の参考文献
- ゲーム依存症とは
- 依存症で何が起きるか?
- ゲームが頭に悪い理由
- 1,映像を見てるだけ
- 2,マルチタスクを要求する
- 3,エスカレートする
- 対策方法
- 1,物理的に切り離す
- 2,別のもので心の穴を埋める
- 3,先延ばしをする
- 一方で「ゲームは頭にいい」という意見も……
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こんにちは。
今回はゲーム依存症についての本を読んできたので、それについてを書いていきます。
それに加えて僕が思ったことなども提供できればと思います。
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今回の参考文献
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今回のテキストはゆうきゆうさんのマンガで分かる心療内科 依存症編です。
マンガで分かる心療内科は結構わかりやすく書いてありますし、
書いてある内容もデタラメではないので良い感じです。
なにより、ちゃんと面白いですからね。
ただ、マンガゆえに紙面にも制限があるので、結構偏った論調で説明してます。
心理学に興味がある方への入門書としてはオススメですが、副読書としてちゃんとした専門書も読んだ方が良い気がします。
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ゲーム依存症とは
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精神医学にはDSMというマニュアルがあります。
これは「こういう症状が出てたら〇〇症かも」みたいな診断基準が書いてある本です。
今(2021年)における最新版はDSM5なのですが、そこに記されたゲーム依存症の診断基準はマンガ内では以下のように紹介されています。
- ゲームをしていない時でも、ゲームのことばかり考えてしまう。
- ゲームができないときにソワソワしてしまう。
- ゲームをする時間がどんどん増えている。
- ゲーム時間を減らす必要を感じ それでも減らせなかった。
- ゲーム以外の趣味や娯楽が楽しくなくなってきた。
- 生活・社会的に問題があり、そうだと分かっていてもゲームを続けてしまう。
- 家族などに対して ゲームの使用時間についてウソをついたことがある。
- ネガティブな気分を解消するために ゲームをしたことがある。
- ゲームをすることで 大事な人間関係・仕事・勉強などがおろそかになったことがある。
以上のうち、5個以上が当てはまる場合「ゲーム依存症」と診断されるそうです。
あなたはいくつ当てはまりますか?(ちなみに僕は4個でした)
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依存症で何が起きるか?
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依存症で何が起きるかと言えば、まあ上のリストにあるのがほぼ全てなんですが……
生活のほとんどの時間をゲームに費やしてしまったりとか、
大事な仕事とか勉強とかをすっぽかしてしまったりとか。
そういう目に見えるものから目に見えない変化もあります。
例えば、脳に損傷が生じるとか。
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ゲームが頭に悪い理由
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「ゲームしてると頭が悪くなる!」というのは昔からある言い回しですが、
案外バカにできません。
中国科学院大学の教授が行った調査では、
ネット依存症の人の脳は麻薬中毒者と同じような損傷の仕方をしていたそうです。
これは規模が大きくないですし、しかもゲームではなくネットの依存症なので、微妙なところではあります。
しかし、ゲームにもネットにも共通する要素があるので、似たような効果が出てもおかしくないです。
では、なぜゲームは脳に悪いのでしょうか?
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1,映像を見てるだけ
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ゲームは基本的に「画面に出てくる絵を見ているだけ」です。
実際のリンゴを見れば、「食べたい」などの感情が湧きやすいです。
しかし、ゲームのリンゴを見ても、あまり食べたいという感情には結びつきません。
さらに、実物のリンゴは見た目・ニオイ・手触りなどから視覚や触覚や嗅覚を刺激されます。
ゲームの方はと言うと、せいぜい視覚だけです。
この感覚の差によって、脳の活性化に差が出ます。
その結果、脳の発達具合が変わってくる訳です。
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2,マルチタスクを要求する
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昨今のゲームは特にそうですが……ゲームというものはマルチタスクを要求します。
特にそれを感じたのは、何年か前にDynamixという音ゲーをやったときです。
↑こんな感じのゲームで、下・右・左の3カ所に注意を払わなければならないシステムです。
下に振ってきているノーツを処理しながら、右も同時に処理みたいなことを求められるので、とんでもないマルチタスクかつオーバーワークです。
これはほんの一例ですが、マルチタスクというのは「何かをしながら別のことをする状態」のことです。
もっと厳密に言えば「同じ脳機能を用いる行動を2つ以上同時に行っている状態」です。
つまり、勉強しながら歌を聴いたりとかそういうことです。
文字を書く動作にも、歌を聞き取るという動作にも言語野を使用しているので、マルチタスクとなります。
裏を返せば、脳の違う箇所を使えばマルチタスクは回避できるので、「ジョギングしながら音楽を聴く」とかはセーフです。
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まあこの辺は過去記事でも語った内容なのでザッと流しますが……
簡単に言えば「人間の脳はマルチタスクできるように設計されてない」ってことです。
なので、無理な使い方をして脳が疲弊してダメージを受けるワケです。
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最近のゲームは、幾つかの要素を同時に操作するものが多い気がします。
たとえば、モンハンなどは戦いながらアイテムを調合しつつゲージもチラチラ確認して……みたいに。
そういうことをやり続けると、脳が損傷を受けていてもおかしくないですね。
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3,エスカレートする
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ゲームをやるとドーパミンが出ます。
ドーパミンはドーパミンレセプター(受容体)という部分でキャッチするのですが、
余りドバドバ出ると、そのレセプターが機能不全になります。
なので、
ドーパミンをキャッチできないので、体はもっとたくさんのドーパミンを求める。
↓
ドーパミンが大量に出る
↓
レセプターが壊れる
↓
もっとたくさんのドーパミンが欲しくなる
……
というループが回り、徐々に求めるドーパミン数がエスカレートしていくのです。
この状態が進むと、たいていのことでは楽しめなくなり、人生の満足度も下がります。
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対策方法
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ではここまで散々怖がらせてきたので、今度は対策方法について語っていこうと思います。
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1,物理的に切り離す
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一番確実なのがこれです。
人間の意志の力は脆弱で、そんなもので行動をコントロールするのは不可能です。
たとえば、ゲームやスマホなどを視界の外に置くだけでもだいぶ変わります。
というのも、人はゲームやスマホを見るたびに
「ちょっといじろうかな……?」
「いや! 今は仕事中だ!」
という感じに、無意識に決断を行っています。
この決断をするたびに脳が徐々に疲弊していき、最後はあらがう体力すらなくなり
「5分だけ……」となるわけです。
それを防ぐ為にも、視界に入らないところにおくのが効果的でしょう。
(できれば部屋の外に置くのが好ましいです。
「そこにある」という意識をするだけでも気が散るので……)
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2,別のもので心の穴を埋める
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ゲーム以外の何かに熱中することで、依存から抜け出しましょう。
ゲームじゃなければ何でも良いですが、それが酒や薬物など、返って体に悪いものなら逆効果なので、無難に運動とかが望ましいのではないかと思います。
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3,先延ばしをする
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「とりあえず5分だけ我慢しよう」と考えましょう。
そして実際に5分経ったら、「心置きなくやろう」でも良いですし、
さらに「もう一度5分待ってみよう」と考えても良いです。
とにかく一度、先延ばしにしてみるという体験をしましょう。
これによって徐々に欲望をコントロールできるようになる可能性があります。
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一方で「ゲームは頭にいい」という意見も……
頭が良くなるゲームの3つの特徴 (daigoblog.jp)
↑の記事に詳しいのですが、
「ゲームは完全に悪い影響しかないとは言い切れません」。
ややこしいのですが、ものに寄っては脳に良い影響を与えるものもあるのです。
記事で紹介されていたのは「マリオ64」です。
↑ちょっと前にリメイク版が出ましたね。
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これらのゲームは空間認識能力や、謎解きを行うので脳機能にプラスの影響を与えるようです。
ゲームにデメリットがあるのはもちろんなのですが、メリットも存在しているのも事実。
楽しく遊べてしかも脳にも良い影響があるのなら、多少のデメリットも見逃す気になるかも……?
まぁ、世の中にメリットしかないことはほぼありませんので、ゲームもそうであると思っておけば良いでしょう。
上で上げたリストに当てはまらない程度に遊べば、デメリットもおさえられますし。
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- ゲームをしていない時でも、ゲームのことばかり考えてしまう。
- ゲームができないときにソワソワしてしまう。
- ゲームをする時間がどんどん増えている。
- ゲーム時間を減らす必要を感じ それでも減らせなかった。
- ゲーム以外の趣味や娯楽が楽しくなくなってきた。
- 生活・社会的に問題があり、そうだと分かっていてもゲームを続けてしまう。
- 家族などに対して ゲームの使用時間についてウソをついたことがある。
- ネガティブな気分を解消するために ゲームをしたことがある。
- ゲームをすることで 大事な人間関係・仕事・勉強などがおろそかになったことがある。
↑リスト
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僕はとりあえず、メリットがあると判断できるゲームは引き続きプレイし、惰性でやってるだけのソシャゲは切ろうと思いました。
では。
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追記
謎解き要素があれば脳にはイイっぽいので、ゲームやるよりはこういうのをやった方が効果はあると思います。
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やはり、ゲームはゲームで「楽しむもの」として向き合うべきな気がしてきました。