中学以来のデビルサバイバー2で感じるむなしさ

Amazonより

 中学の頃、とあるゲームにハマっていた。そのゲームの名は「デビルサバイバー2」。数ある真・女神転生スピンオフシリーズのひとつだ。このゲームとの出会いは、当時購読していたコロコロGという雑誌に遡る。

https://corocoro.jp/bakuren/305949/

ちょうど中学生の頃に発売された(そしてたった4回で休刊した)コロコロGにはデビルサバイバーの特集とコミカライズが掲載されていたのだ。それを読んで、デビルサバイバー、ひいてはメガテンに興味を持つようになった。そこからプレイするゲームの幅が広がり、見識を広めるのに大いに役立った。ありがとうコロコロG。ありがとう小学館。私はコロコロGに育ててもらったも同然だ。あぁ……コロコロGのことを思い出したらなんだか泣けてきた。なぜ休刊したんだ……(明確に休刊と言われたわけでは無いが)。大人の事情か、あるいは売上の問題か。いや、待て。売上の問題だって十分「大人の事情」だろ。じゃあどっちみち大人の事情ってヤツのせいじゃないか! ふざけるな! これだから大人は許せねぇんだよ! え? 私ですか? 23歳(無職)です。いやいや、僕なんてまだまだ子どもですよ。

 一応コロコロGについて軽く説明しておこう。コロコロの姉妹雑誌(あるいは兄弟雑誌?)という立ち位置で、2010年冬に発売開始。夏と冬に発売されていた。コンセプトとしては中高生向けのコロコロと言った感じ。先ほども言った通り、コロコロG刊行は私が中学生の頃だ。少し前までコロコロ本誌の読者だった私にとって、コロコロGは異色の雑誌だった。原作とは違い、ガチデッキ同士の対決を描いた「デュエマ 覇王伝ガチ!」。たった3年で死んでしまう一族の大河ドラマを描いた「俺の屍を越えてゆけ」(のコミカライズ)。ひ弱ないじめられっ子がオーパーツで圧倒的力とついでに彼女をゲットする「ロストプラネット」(のコミカライズ。ちなみにこれはマンガオリジナル展開だ)。そしてまさかのケシカスくん作者が描く乳首解禁のギャグマンガ「TAIMAN」。さらにさらにデュエマ作者の描くダークファンタジー「錬人」。マンガ雑誌なんてコロコロと小学何年生しか読んだことのなかった私にとって目に映るもの全てが新鮮だった。あの時の感動は今でも忘れられない。……まぁウソだが。しかしどれほどあの雑誌が好きだったかは忘れていない。できるならばもう一度読みたい。しかしそれは叶わない。浅はかにも捨ててしまったのだ。本当に勿体無いことをした。というわけで今回は番組の途中だが、コロコロGの魅力について語っていこう。

(中略)

 そのような経緯で、今デビルサバイバー2をプレイしているのワケだが、とても面白い。何が面白いかって、当時と感じ方がまるで違うのだ。今まで見えていなかった部分が見えるようになったとでも言おうか。舞台設定は災害によって荒廃した東京でサバイブするというモノ。まぁ0年代によくあったバトロワ・デスゲーム系だ。デビルサバイバー2事態が2011年発売なので、この荒廃した都市というモチーフはどうしても3.11と重なって見えてしまう。それは今も昔も変わらない。中学生だった私は正直ビビりながらこのゲームをプレイしていた。特にラストはかなりビビった。ネタバレになるのでアレだが、とあるルートでは東京・名古屋・大阪以外の都市が海に沈むのだ。それがやはり津波のイメージと重なって怖かった。しかしその怖さが、逆にこのゲームに対する執着を掻き立てていたと言えよう。怖いもの見たさという言葉もある。それはきっと人間の根源的な欲望の一つなのだと思う。

 今まで語ったのは、今と昔で共通する感じ方だ。では今と昔で変わった感じ方は何か? それは「キャラクターの魅力のなさが見えるようになった」ことだ。このデビルサバイバー2、驚くことに好きになれるキャラが一人もいない。誇張などは抜きにして、本当に一人もいない。自分でも驚きだ。昔はフミというキャラが好きだったのだが、今は昔ほどときめかない。

http://dsexp.atlusnet.jp/2011/10/349/より
フミ立ち絵

シンプルに私が歳をとったというのもあろう。ただ、それ以上に「プレイヤーを萌えさせよう」という魂胆が透けて見えてしまうのだ。そのせいで中々キャラに思い入れを持てない。みんな好きになれない。男も女も。例えば、女キャラならイオ、アイリ、オトメあたりは「男性プレイヤーを萌えさせよう」という意思を感じるし、男キャラならジョー、ジュンゴあたりに「女性プレイヤーを萌えさせよう」という意思を感じる。

 実を言うと私も女キャラならマコトとオトメは好きだ。正直ガチ恋しそうになる。

引用元同上 マコト立ち絵

引用元同上 オトメ立ち絵

でも、それは自分の性癖として「こういう性格でこういう口調の人って萌えますよね……ブヒヒ……フゴッフゴッ」というのがあるってだけで、キャラの魅力とは違う。私のツボにクる形をしているに過ぎない。同じような理屈で、男キャラなら主人公とヤマトが好きだ。が、こちらは単に見た目が私の好みに合致するだけだ。キャラの魅力とは違う。

引用元同上 主人公立ち絵

引用元同上 ヤマト立ち絵

……事実,イラストはとても良いのだ。「夜桜四重奏〜ヨザクラカルテット〜」のヤスダスズヒトがメインのキャラデザを手掛けており、どのキャラもとてもスタイリッシュな絵柄だ。見た目だけなら好きなキャラは多い。しかしネックとなるのは内面だ。どのキャラクターもテンプレの性格設定とテンプレの喋り方でかなり手堅く作っている。キャラデザの出来と掛け合わされて完成度も高い。しかし、だからこそ機械的というか、作為的なものを感じてしまう。とはいえ「じゃあ自分ならもっと上手く作れるか?」と考えると、それも難しいんだろうなと思う。何というか、キャラクターを作るって大変だなというのを改めて痛感させられた。

(ちなみに、ストーリーについてはそれほど悪くないと思う。キャラの言動の不一致や、主人公マンセー、ギャグパートのワンパターンさは気になるものの、タイムホロウよりは楽しめた)

 しかし、そのように感じているにもかかわらず、私はこのゲームを割とプレイしている。すでに2周目をクリアしたところだ。このまま見ていないエンディングを見るべく奔走するか、YouTubeで見てしまうか迷っている。あんなにケチをつけたクセに、なんだかんだガッツリハマっているのである。思えば、TCG仮面ライダーガンダム、アニメ、ノベルゲーム、ボカロ……今の自分の趣味を形成しているモノのほとんどは、中学時代ですでに形成されていた。中学の時に触れた作品というものは、生涯にわたって当人を縛り続けるものなのかも知れない。デビルサバイバー2と私の付き合いは、もう少し続きそうだ。

……というか今とんでもないことに気づいたのだが国会図書館とか行けばコロコロGあるのではな