プリマジ4話 感想&考察 「これからのプリマジ大丈夫かな」という不安

プリマジ! 公式
https://twitter.com/PrettySeriesPR/header_photo より

こんにちは。なめです。

プリマジスタート以来毎週行っているこの企画も4回目。

今回のプリマジなのですが……

正直、何も書くことがありません。

それは「文句なし!」という事でもあるのですが……

はっきり申してしまうと、感情が全く動かなかったという感じです。

おかしいですよね。

まつりの過去や、みゃむの過去が明かされ、

そしてみゃむの暴走など。

かなり熱い展開が盛りだくさんだったはずなのですが……いまいち乗れなかった。

今回の記事ではそのいまいち乗れなかった理由について考えていこうと思います。

※というわけで今回はプリマジ微妙だったな……という話をするので、見たくない方はここで読むのをやめていただいた方が賢明かと存じます。

※また、当記事には「プリマジの本編自体の考察」は含まれません。

プリマジという作品自体についての考察は行いますが、本編の考察については行いませんので,そちらを楽しみにしていただいている方にはお楽しみいただけない場合があります。

すみません。

では、そろそろ入ります。

今回プリマジにいまいち乗れなかった理由について、自分としては以下の3つが大きいかなと考えています。

  1. 全てが後出し
  2. 積み上げがない
  3. スタンプラリー的なストーリー進行

順を追って説明します。

全てが後出し

今回の祭りの過去話やみゃむの過去話に関してもそうなのですが……

出してくる情報がことごとく後出し。

以前から伏線を張ることもなく、突然に放り込まれてくる。

それがどうも唐突な印象を受けてなんとなく掴みきれません。

まるでとってつけたような印象を受けてしまうのでこちらとしても受け取りづらいというか……。

「そういう流れが来る」という意識がないので、いざそういう展開が来ても受け止めるだけの姿勢が整ってないんですよね。

これ何かに似てると思ったのですが、アレですね。遊戯王ですね。

ソース画像を表示
http://yugioh-starlight.com/archives/51057328.htmlより
筆者は5D’s世代。あなたは?

僕は遊戯王シリーズが好きです。

カードももちろんですが、やはりマンガ・アニメも好きです。

デュエルモンスターズも、GXも、ファイブディーズもそれ以降の作品も(楽しませてもらえない部分はあるにしても)楽しませてもらえる部分がある作品でした。

しかし、そのすべてを手放しで褒めることができるとも思っていません。

その最たる例がデュエルシーンです。

「トラップを発動していたのさ!」

に代表される後出しジャンケン

発動してるんだったら先に言えよ

今回のプリマジでは、そういう後出しジャンケンと同じようなモヤっとした感じを受けました。

積み上げがない

みゃむが暴走し、それをまつりが止めるという展開が挟まりました。

本来はとても盛り上がるシーンだと思うのですが……

これがいまいち盛り上がらない。

理由は単純でプリマジというアニメ自体がまだ4話だからです。

まつりとみゃむというコンビに対しても、言ってしまえばそれほど思い入れがないわけです。

例えばオーロラドリームであれば、物語上大きな意味のあるカタルシスは12話あたりに持ってきています。

↑第12話「勝利の栄冠は誰の手に!?」 カタルシスが一気に爆発する回ですが、それも11話分の積み上げあってこそでしょう。

それだけ経っていれば、このキャラクターはなぜ目標を達成したいのか?

なぜその目標を立てたのか? どのように実現しようとしているのか?

どのような努力をしているのか?

などの情報が脳髄にしっかりと刻み込まれた状態で、カタルシスへと突入できます。

しかしプリマジでは、そのあたりの脳に刻み込むフェイズを一気にすっ飛ばして第4話でいきなりカタルシス展開をやっています。

展開が早いのは良いことだとは思いますが、それにしても早すぎる。

他の方がどうか分かりませんが、少なくとも自分はまだまつりとみゃむというキャラクターを掴みかねています。

あの2人の関係性も自分の中ではいまだに探っている途中です。

そんな状態で暴走したみゃむをまつりが止め、そこにあたかも絆が存在しているかのような描写をされても、「は?」となってしまって、素直に信じられないというのが正直なところです。

お前らそんなに仲良かったか?と思ってしまいます。

スタンプラリー的なストーリー進行

何度も申しているとおり、今回はとても熱い展開が満載の回でした。

みゃむとまつりの仲違い。

まつりの過去。

みゃむの過去。

みゃむの暴走。

みゃむとまつりの仲直り。

ぎっしり詰まっていて満足度で言えば100%を遥かに凌ぎます。

要素だけを見ればそうです。

しかし、一つ一つを分割して見たときにその内容の薄さが目につきます。

それはまるで、物語を描く上で必要だからそのシーンを差し込んだのではなく、「このシーンを入れておけば盛り上がるだろう」というある種のスタンプラリー的な思想のもとに作劇されたのではないかとさえ感じさせてしまうほどでした。

思うに

思うに、プリマジは30分アニメじゃ厳しい作品なのではないでしょうか。

僕は,プリティーシリーズの基本構造は仮面ライダーと共通していると考えています。

前半(CM前)は状況の説明や伏線を張るドラマパートで、後半(CM後)は物語が動いてクライマックスへ向かう変身パート。

プリティーシリーズも仮面ライダー(特に平成以降のシリーズ)も、この構造は大体において共通しています。

(※“常に”ではありません)

しかし、ここで問題が生じます。

仮面ライダークウガが証明したように、この手の作品は変身パートがひとつでは絶対に足りないのです。

↑これまでの1話完結型フォーマットを無視した革命的作品。2週間かけて1体の怪人(グロンギ)と戦う。

物語の起伏において盛り上がる箇所(カタルシスを得られるシーンやその手前)で変身パートを配置するのが基本です。

となると起承転結の転の部分に配置するのが得策でしょう。

しかし30分番組はオープニングエンディングで3分、CMで約6分消費するので本編は実質21分です。

さらに、ライブシーンはメイクアップも含め、なんだかんだで3分はかかります。

となるとドラマに使えるのは18分。

さらに、ライブシーンを起承転結の転〜結に持ってくるとなると、ひとつの起承転結につきひとつのライブシーンが挟まることになります。

仮にライブシーンがふたつになるようにした場合、ライブシーンは計6分程度(メイクアップを省略するなどして短縮できると考えると、おそらく5分程度?)。

ドラマに使えるのは15分。

これに起承転結を2セットねじ込むので、起承転結をそれぞれ2分ずつで描くことになります。

まぁできなくはないですが、ものすごく薄っぺらいドラマになります。

それを回避するためのフォーマットとして、前半はドラマ、後半は変身という流れを採用しているわけですが……

明らかにプリマジは展開が早い、というかかなりすっ飛ばしてます。

みゃむの暴走はカタルシスとして十分に機能するので、これをクライマックスに持ってくるのは良いでしょう。

しかし、そこに至るまでの経過が短すぎる。

多分まつりとみゃむってまだ出会って数日とかですよね。

友人関係に時間なんて関係ない!というのはごもっともではあるのですが……

彼女たちがそうだとしても、視聴者の全員もそうだとは思えません。

そもそも2人に感情を委託できるほど、彼女たちに親しんでいません。

なにせ、まだ4話目ですし。

現に僕はかなり唐突だなという印象を受けましたし、「ふ〜ん」くらいな感覚で見ていました。

本来ならみゃむの暴走は、ADにおけるりずむ暴走と同じくらいのカタルシスになるポテンシャルがあったと思います。

↑第46話「対決!あいらvsりずむ」 最終盤での展開。AD史上最大級のカタルシスを与えた。

が、それを序盤に持ってきてしまったことで完全に威力を失っている。

しかも、一度この展開をやってしまったことで、「この先、暴走展開をやることができない」という制約まで背負うことになってしまいました。

はっきり申し上げてしまうと、これは悪手だったのではないかと感じます。

みゃむの暴走はもっと良い切り方のできるカードだったと思いますし、もっと良い切り方をすれば、もっとすごいシーンになったと思うからです。

ゲーム中一回しか使えない超必殺技をムダ撃ちしてしまった方な呆気なさを感じます。

しかし、もしかしたら描くならここしかないと言う判断で行われた演出なのかもしれません。

ここまでの流れを見たところ、プリマジはかなり展開を急いでいる作品であるという印象を受けます。

主人公格であるまつりとみゃむのエピソードですら、あのスピード感です。

登場キャラクターも多いですし、ひょっとしたら全てのキャラクターのエピソードを掘り下げるつもりなのかも知れません。

あるいは、単純にプリマジの大会の話を描くのに時間がかかると見積もっているのか……

その真意は知れませんが、プリマジ制作側が、かなり展開を急いでいることは明々白々です。

どの程度の規模の物語になるのかは分かりませんが、ここから更にストーリー自体が膨らむ可能性も否定できません(たとえば現実世界と魔法世界の更に別の世界が出てくるとか、新キャラが出てくるとか)。

となると、やはり21分で描くにはあまりにも大きすぎる題材がプリマジなのではないでしょうか。

対策

ではプリマジはどうすべきなのか。

最も安直に思いつくのが二つの方策です。

  1. ひとつのエピソードを2話構成にする
  2. 関連書籍などで補足する

1は平成ライダーフォーマットに則り、ひとつのエピソードを2週かけて描くというもの。

これをやればストーリーの流れも緩やかになり、視聴者側の感情移入が追いつくペースになるかと思います。

心情描写や情景描写などの細かい描写の精度を高められるので、例えば、

「この時にまつりはどう思ったのか?」

「みゃむはどうしてこんなことをしたのか?」

という細部の部分を描くことができます。

これによってキャラクターの抱えている思想を理解しやすくなり、キャラクターに対する共感や愛着を形成することが出来るでしょう。

ただ、無視できない欠点もいくつかあります。

まず、2週間で1エピソードなので単純にストーリーの進行が遅くなります。

状況やキャラの描写を丁寧に出来る代わりに、ストーリーの進むスピード事態が落ちるので、場合によってはプロットを縮める必要が出てくるかも知れません。

そうすると、ストーリー進行に関係のないギャグ回のようなモノを差し込む余地がなくなり、作品自体の豊かさは薄まる危険性があります。

また、週をまたいでストーリーが進むと、1週見逃しただけで話しについて行けなくなる場合が増え、脱落者を生む可能性も高まります。

(各種配信サービスがあるので戻ってくる人もいるにはいるでしょうが、復帰率が100%になるとは考えがたい)

後者はともかくとして、前者は深刻でしょう。

今のプリマジは急いで進めているので、進行速度を遅らせるのは危険です。

なので、2週間かけて描く手法は手放しに肯定できるものではありません。

ではネットオリジナル作品や配信オンリーの作品にして、時間も無制限で何本かの映画で完結するような作品にするという形をとることもできます。

しかし、これでは本来のターゲットであるはずの女児に届かないので、あまり意味のある行為ではないと思われます。

そこで2の手段です。

2は関連書籍によって「アニメで描けなかった部分を補足する」というものです。

例えばコミカライズ、ノベライズ、資料本、雑誌の特集などなど……

とにかくアニメ内で描けなかった部分を他の媒体によって埋め合わせるということです。

こうすることによりアニメを見て満足した人はそのままでもいいし、

アニメを見て満足できなかった人はこれらのコンテンツを確認することによって自分の疑問を解消することができます。

まぁ欠点としては、アニメ化されていないので作品の1部であるという感覚をつかみづらいというのはあると思います。

また、「アニメの補足情報を語っている媒体が存在する」という情報を持っていない場合、補足情報を受け取ることができない可能性があります。

(例えば、アニメをおっているだけで公式Twitterなどの広報を読まない人など)

最後に

ここで語った内容は全て絵空事です。

ただ、今後何らかの対策を講じないと、プリマジはヤバいんじゃないかな?という気がします。

あるいは「対策を講じなくても問題ないくらいスゴイ展開が待っている」という事なのでしょうか?

だとするとメチャクチャ期待してしまいますが、どうなんでしょうか。

この期待が実を結ぶのか、それとも裏切られるのか。

今後の放送を見守りたいと思います。

(ぶっちゃけ今は裏切られるんじゃないかと思ってます)

すみません。このような記事で

次回は書くことあったらうれしい。

今回はこの辺で。

では。

過去記事

まだ読んでいない場合は、過去記事もぜひご覧ください。

過去記事はしっかりプリマジを褒めてますので、ご安心ください。